花と緑のネットワークとよなか

「とよっぴー」

 資源循環たい肥「とよっぴー」の活用を通じて2006年秋に「食育フォーラム」を開催しました。その際、基調講演をいただいた京都大学大学院元教授・NPO環境共生社会研究所代表の内藤正明先生が、次のようなお話をされました。

<私は豊中のたい肥化事業が始まる前の段階で、大変な苦労をされて、たい肥化の実験をされている時から、関心を持って訪ねてきていました。一般に成功されている事例はほとんどなく、必ず山形県の長井市の話が、成功例として出てきます。ということで、豊中のような場所では難しいだろうな、どんなことになるのかと、半信半疑というかほとんど疑っていました。ところが、豊中にきてみたら大変熱心な、志と能力の高い方々が活動をされていました。その後、皆さんとお付き合いすることになり、「ああ、やっぱりこういう人達によってようやく出来たのだな」と理解できました。そのころから、日本で成功した事例はないか問い合わせがあれば、長井市とは状況の異なる、非常に厳しい中でなんとか運用されているのが豊中の事例で、先は正直分からないが、日本でここまで成功している数少ない事例が豊中だといっております。いまだに、その成功の秘密は完全には私にも分かっていませんが、逆に他では成功しない理由というのはいくらでもあげられます。>

という、過分のお話でした。

生ごみを燃やさないで再利用できないか。素朴な発想から活動を初めた「生ごみのたい肥化」は、その後、実験を積み重ねる中で、学校給食の調理くずや食べ残しがすべて燃やされていることに着目しました。その結果、これを再資源化しようとして誕生したのが「とよっぴー」です。

資源循環の仕組みを作るという理想よりも、もったいない、生ごみも工夫によっては宝になる、そんな市民の思いが実って「とよっぴー」になったのです。

豊中のような都市部で「生ごみ再資源化することは冒険」という声もありました。循環が確実に完結できるかが成功の鍵です。その点では、活用先を求めて試行錯誤もありました。しかし、多くの人々との連携を通じた活動の広がりによって現在の「とよっぴー」に結びついているのです。

内藤正明先生からは、「身の丈」活動が非常に大事と教えていただきました。

「とよっぴー」は資源循環が機能しています。大きなことでなくても、ささやかな活動が人を動かすこと教えたのが「とよっぴー」です。ここには、知恵や創造が山のようにあるようです。

みなさんも、是非、生ごみに関心を抱いていただければ幸いです。

 

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